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ケアマークの横のマークはなーに?

ケアマーク

早速ですが下の写真の木箱に印刷してある赤いマークはご存知ですよね?

ケアマークって言います。段ボールなんかにもよく印刷してありますね。

ケアマーク

上から順番にご説明しますと、
「アップマーク(天地無用:日本語の方が難しい?)」
「取扱注意(こわれもの注意)」
「水濡れ厳禁」

となります。

英語の方が簡単かも「THIS SIDE UP」「FRAGILE」「KEEP DRY」です。港で木箱を見ていると他にもいろんなマークを見ることができます。よく見かけるのは重心位置を示すマークやワイヤーの釣り位置を示すマークです。発見してみてください。

さて、本題です。そのケアマークの右に四角く黒いはんこのようなものがありますね。これは何だか知ってますか?港ではほぼ全ての木箱でこのマークを見ることができます。

これは防虫処理をちゃんとやった木材を使って木箱を作っていますよーってことを表してます。実はこん包材って建築材と違ってかちんかちんに乾いた材料じゃない、いわば生木なんです。生木を製材したままですからどんな虫が隠れているか分かりません。それでしっかり殺してから輸出入しましょうって国際的にルールが決まってます。害虫を拡散させない、防疫のための決まり事です。

では、防虫処理ってどうやってるか分かります?こん包材がそのまま入る大きな窯の中に入れて蒸し焼きにするんです。標準のこん包材では80度以上で8時間蒸し焼きにすることになってます(材木の大きさで変わります)。虫はこれで殺せますがカビには都合が良いのでしょう。うっかりするとすぐにカビカビになります!蒸し焼きにするだけですから見た目で防虫処理材かどうか見分けるのは大変です。切れ端を持ってこられてもまず分かりませんので、保管場所で区別しています。

ところで燻蒸(くんじょう)処理って聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?一昔前は皆さんこう呼んでましたね。ちょっと字が難しいので私は使わないようにしていますが、こだわっている方もいますね。「燻(いぶす)」って漢字が虫を追い出すのによく当てはまってますけどね!

防虫の四角いはんこですが、一定の要件を満たして登録できれば大きさなどに決まりはなく世界各国でも特徴があって面白いです。ステンシルや焼き印でもOKですが、シールはダメだそうです(笑)。今回の写真は弊社のものですね。JPが日本を表してます。その次の数字が梱包会社(工場)に一つずつ割り当てられてます。だから、番号が分かればどこの会社(工場)で作った木箱かが分かる仕組みになってます。いい加減な箱は作れませんよね!輸入木箱やパレットでどこの国から来たか頭のアルファベット2文字で想像するのも面白いですよ!

では、最後に問題です(難しいかな?)!

はんこの中の下段にあるHTってなあんだ?

答えは一週間後にここで(笑)!

村谷さん正解です。Heat Treatmentの略、熱処理ですね。

ということは、別の防虫処理法があるってこと?…その通りです。MBと略して表示します。こっちの方が何の略か難しい!熱を加えられない時はこちらで処理します。どうするかと言うと薬品で虫を殺します。使う薬品が臭化メチルなのでその頭文字をとってMB(Methyl Bromide)となります。私はまだこの表示を見たことがありません。処理代が高いのと環境に優しくないので特殊な事情がないと使いませんから。

(2016.12.22.追記)

小川